復讐劇は苦い恋の味

「自分でもバカだと思う。なにをしたって過去を消すことはできないのに。それでも賭けてみたくなったんだ。松本さんと知り合って、美空ちゃんとの関係を聞いて。……散々酷いことをしたんだ、美空ちゃんは俺を覚えているかもしれない。むしろ写真を見て会ってくれないかもしれない。負け戦の気持ちで松本さんにお願いをしたよ、美空ちゃんと会わせてくれって」


お見合いのはじまりにそんな事情があったなんて……。

聞かされれば聞かされるほど、信じられない話ばかりで驚きを隠せない。

私はただジッと彼の話に耳を傾けた。


「あの日は朝からずっと緊張していた。来ない確率の方がはるかに高いのに、それでも俺は必死に来てくれることだけを願っていたよ。……そして決めていた。もし、俺のことを忘れていて来てくれたら、全力で美空ちゃんを幸せにしようって。初めて一目惚れをして、諦めようと思ってもなかなか諦められなかったから。精いっぱい好きって気持ちを伝えたいと思った。……だから嬉しかったよ、美空ちゃんが来てくれた時は」


そう言いながらハニかむ彼に罪悪感が生まれる。