復讐劇は苦い恋の味

でも私は気にしていなかった。

同じクラスといっても話さない人だっているし、嫌われていても、関わらなければいいだけの話。向こうも私のことはいない存在だと認識していたと思う。

クラスメイトといっても、私と彼とでは住む世界が違う人。

私もそう思っていたんだけど……。そんな私たちが、隣の席になってしまった。


机の移動が始まり、騒がしくなる教室内。隣の席は誰だろうとドキドキしながら向かうと、相手は君嶋くんと知り愕然となる。

嘘、私の隣の席って君嶋くんなの!?

今まで一度も話したことなんてなかった。席も近くなかったし。……でも今まで隣の席だった人とだって、一度も話したことなんてなかった。


だったら気にしないことだよね、君嶋くんだって隣の席が私と知っても、最悪って思うくらいで話さなければいいだけとしか、思わないだろうし。

そう自分に言い聞かせ、彼の隣に机を並べた。すると君嶋くんは私を見るなりあからさまに嫌な顔を見せ、大きな声で言った。