復讐劇は苦い恋の味

それなのに私、なにも言い返せない。

だってとんだ言いがかりだ。君嶋くんの隣の席になって浮かれたことなんて、一度もなかった。


ただクジを引いて偶然隣の席になってしまっただけ。今だって大人になってまでこんなにバカにされる筋合いはない。

それなのに言い返せない私は、昔となんら変わらない。

悔しいくせに拳をギュッと握りしめ、耐えることしかできないのだから。


こちらを見てヒソヒソと話す他の客がいるというのに、斎藤さんたちは気づいていないのか、「斎藤言い過ぎ」なんて言いながら笑っている。

だめだ、もう耐えられない。それにここにずっといたら君嶋くんまで来てしまう。

こんな形で彼にバラしたくない。

なにも言わず去ろうとした私の腕を、すかさず斎藤さんは逃がさないと言わんばかりに掴んだ。


「ちょっとなに帰ろうとしているの? せっかく再会できたのに。それにこれから関さんが、同じシャーペン買っちゃうくらい大好きな君嶋くんが来るんだよ? 関さんだって会いたいでしょ?」