復讐劇は苦い恋の味

両親に代わって彼の幸せを見届けるまでは、死んでも死にきれない。

そのために今までがむしゃらに生きてきたのだから。

「だからそんな情けない顔をしないの! さっきの君嶋くんに見せていた威勢はどうした!!」

「痛っ!」

バシッと肩を叩くと圭は悲痛な声を漏らした。

「痛いから。姉ちゃん力強すぎ」

「なによ、そんなに強く叩いていないじゃない」

恨めしそうに私を見つめる圭に笑いかけると、圭は眉間に皺を寄せた。

「そんなバカ力女じゃあいつに嫌われるぞ」

「――え」

驚く私に圭はシートベルトをしめた。


「俺は昔姉ちゃんをイジメていたあいつなんて大嫌いだけど、姉ちゃんには絶対に幸せになってほしいから。……だから今度、ゆっくりあいつと会わせてもらうから。俺がしっかり品定めしてやる」

「圭……」

前を見据えたまま言うと、圭は車を発進させた。