復讐劇は苦い恋の味

『こんなこと思うなんて不謹慎だとわかっているけど、そいつから美空ちゃんを助けたのは、自分でありたかったなって思って』

「君嶋くん……」

なんとも言えぬ気持ちになる。胸の奥がくすぐったくて、そう言ってくれて嬉しくて……。

『なんて、ね。ごめんね、変なこと言って。それよりも本当に警察に相談しなくて大丈夫?』


「あ、うん。さっきも話したけど圭がきつく言ってくれたし、それに今日みたいに通勤はひとりにならないように、圭や友達が一緒に行ってくれるようになったから」

『そっか。でも弟さんも仕事が忙しいんでしょ? だったら俺が仕事早く終わった時は迎えに行くよ』

君嶋くんの提案にギョッとする。

「え、でもそんな迷惑じゃ……」

言葉を濁すとすぐに君嶋くんは言った。


『迷惑なわけないでしょ? 好きな子を守りたいんだ。だから弟さんの都合が悪い時とかあったら、遠慮せずに言って。その時は俺が絶対に迎えに行くから』

力強い言葉に胸が熱くなる。