復讐劇は苦い恋の味

「ねぇ、本当に家まで送らなくても平気?」

「うん、ここまでで十分だよ。家まで歩いてすぐだし、人通りもお店も多いから」

仕事が終わり、朋子と途中まで一緒に帰っていた。

けれどここから朋子はバスに乗って双子ちゃんを迎えに行く。


「でも圭くん、まだ仕事終わらないんでしょ? それ聞いちゃうと不安で……。保育園には遅れるって連絡すれば大丈夫だし、やっぱり家まで送るよ」

そう言うと朋子はスマホを取り出し、保育園に電話を掛けようとしたものだから、慌てて止めた。


「朋子、私なら本当に大丈夫だから! 家まで人通り多いし、歩道には誰かしら通っているから。それになにかったらすぐに電話する」

「……そう? 本当に大丈夫?」

心配そうに聞いてきた朋子を安心させたくて、すぐに答えた。

「大丈夫。だから早く迎えに行ってあげて。……ね?」


すると朋子は渋りながらもなんとか納得してくれて、「なにかあったらすぐに電話してね」と言い、見送る私を何度も振り返り見てはバスに乗り込み、帰っていった。