復讐劇は苦い恋の味

「……これからは気をつけるよ」

世の中、色々な人がいて予想外のことが起こると身を持って経験したから。

反論することなくおとなしくしていると、やっと朋子のお怒り袋も収まったようだ。


「ならいいけど。……それにしてもとんだ変態妄想野郎ね。優しくしてもらえたのが嬉しかったのはわかるけど、まともに話したこともないのに『俺がいるのに』だなんて。美空と付き合っているつもりだったのかな」

頬杖をつき呆れ顔で話す朋子に、あの男性のことを思い出す。


怖かった。彼に声を掛けたのは体調が悪そうだったから。他の人でも同じことをしていたし、その後は売店で会って一言二言、言葉を交わしただけだったのに。

まるで私と付き合っているような口ぶりに、ゾッとする。


「そんな奴に連れ去られそうになった場面に出くわしたら、そりゃ圭くん、彼に会いたいって言うよ。心配なんでしょ、美空と彼の過去も知っているからこそ余計に」

「……うん」

そうだよね、圭に君嶋くんに会わせろって言わせたのは私のせいだ。