復讐劇は苦い恋の味

「いいよ、それでこそ俺の姉ちゃんだと思うし。……それに俺を大学まで出してくれた姉ちゃんを、今度は俺が助けられているんだ。……本望だよ」

圭……。

そう言うと圭は微笑み「おやすみ」と手を挙げながらリビングから出ていった。

少しすると浴室からシャワーの音が聞こえてきた。


「もう……生意気なんだから」

なにが今度は俺が助けられている……よ。

姉として圭には迷惑かけないように頑張ってきたつもりだけど、もう圭は子供じゃない。

今日のように助けられることが、これから何度もあるのかもしれない。

そう思うと寂しくもあり心強くもある。

「ありがとうね、圭……」

圭はいないのにもう一度お礼の言葉を呟き、ふたり分のマグカップを手にしキッチンへ向かい片づけを済ませていった。



「ほらみろ! だーから言ったじゃない、気をつけなさいって。見事に私の予感は的中したわけだ!」

得意気な顔で朋子に言われ、ちょっぴりムッとするもなにも言い返せない。

まさに彼女の予感が的中してしまったのだから。