復讐劇は苦い恋の味

思い出すと胸がトクンと鳴る。

あの日から一週間経つというのに、今でも鮮明に覚えている。

私の身体を抱く彼の逞しい腕とか感じるぬくもりとか、匂いとか……。

思い出すと恥ずかしくなるほどに。

急に暑くなり手で仰ぎ、顔の熱を取っていると圭は今日何度目かわからない溜息を漏らした。

「わかったよ、姉ちゃんがそこまで変わったって言うなら、今度俺にも会わせてよ」

「会わせてって……君嶋くんと?」

聞き返すと、圭は呆れ顔を見せた。

「他に誰がいるっていうんだよ。……会わせてよ。それで俺がしっかり品定めするから」

品定めって、嘘でしょ!?

「いや、でもっ……!」

圭と君嶋くんを会わせて大丈夫なのかな。なにも起こらない?

不安な私に圭はぶっきらぼうに言った。


「いいだろ? 別に。そもそも見合いって結婚を前提にしたものだろ? だったら家族である俺にだって会う権利はあるじゃん」

「それはそうだけど……」