その頃すでに圭は私の中で可愛い弟になっていて、そんな彼にどうしてそんなに痩せたのかとか、痩せようと思ったのかとか……。

色々聞かれたら答えないわけにもいかなくなり、包み隠さず話してしまった。

すると可愛い圭の表情は一変。

いつかもし君嶋くんと会うことがあったら、一発殴ってやるなんて物騒なことを言い出したのだ。

それがあったから、圭にお見合い相手が君嶋くんだってどう切り出せばいいかと、悩んでいたわけだけど……。

まさか突然事情を説明する羽目になるとは。


「しかも君嶋、姉ちゃんに散々酷いことをしておいて忘れていたとかあり得ないんだけど。忘れて昔自分がいじめていた相手に惚れるなんて、あいつも相当のバカだな」

案の定圭は君嶋くんを呼び捨てにし、鼻で笑っちゃっている。

「……でもあいつよりもバカなのは姉ちゃんだ」

そう言うといつになく真剣な瞳を向ける圭に、一瞬息が詰まる。

マグカップを両手で持ったまま彼と見つめ合うこと数秒間。圭は表情を変えず言った。