復讐劇は苦い恋の味

それってつまり彼は、午後に退院したはずなのにそれからずっと、ここで待っていたってこと……?

そこまで考えが行きつくと、一気に恐怖心に襲われる。


「本当は昨日お誘いしたかったんです。この間のお礼も兼ねてお食事に。……もうお仕事終わったんですよね? だったら行きましょう。美味しいお店があるんですよ」

「え……あのっ!」

外見とは違い、強引に私の腕を掴む彼に怖くなる。

「早く行きましょう。そこで色々教えてください。……あなたのこと全部」

腕を引かれながらそう話す彼に怖くて声が出ない。

どうしよう、まさかこんなことになるなんて……!

咄嗟に周囲を見回すも、今の時間帰る人は少なく誰もいない。

このままじゃ私……っ!

必死に声を絞り出し、どうにか抵抗しようした時、駆け寄ってくる足音が聞こえてきた。

真っ直ぐこちらに向かってくる足音。その人物は海外出張中のはずの圭だった。

「え……圭?」