復讐劇は苦い恋の味

素早く片づけを済ませ、叔母さんは上機嫌で「また土曜日ね」と言いながら帰っていった。

まるで台風が去った後のようだ。

しばし玄関先で見送ったまま茫然と立ち尽くした後、ゆっくりとリビングへ戻る。

テーブルの上には、叔母さんが置いていったお見合い写真。

「お見合い……か」

写真を手にすることなくソファに深く腰を下ろした。

二十八歳にもなると、友達の大半は結婚しており、子育て中の友達もいる。

叔母さんが心配するにも当然だよね。この歳になってまともな恋愛なんて、一度もしたことがないのだから。

叔母さんは私に恋愛する余裕もなかったからだと思っているかもしれないけれど、本当は違う。

昔のトラウマから男の人が怖くて、恋愛ができないだけなんだ。

今でも思い出すと胸が苦しくなるほどのトラウマ。……どうやったら私は克服できることができるのだろうか。

私だって人並みに恋愛をして、いずれは結婚したい。

そのたびに彼が邪魔をするんだ。

「今、なにやっているんだろう……」