復讐劇は苦い恋の味

最初は斎藤さんがなにを言っているかの理解できなかったけど、彼女が君嶋くんの筆箱から一本のシャーペンを手にしたのを見て、やっと理解できた。


今、私が使っているシャーペンと彼女が手にしているシャーペンが全く同じなんだ。メーカーもデザインも色もすべてが。

でもそんなのたまたま偶然だっただけ。君嶋くんが同じものを使っているなんて知らなかった。

それにこれはお母さんから貰ったものだった。

なのに斎藤さんはまるで私が君嶋くんが使っているのを見て、同じものを買ったかのように言ってきたんだ。

『関さん怖いんだけど。なに君嶋くんと同じものを使ってるの? もしかしてストーカー?』

ちがっ……! 酷い、ストーカーだなんて……!

否定したいのに、小心者の私はハッキリ自分の気持ちを伝えることができなかった。

周囲にいたクラスメイトも話を聞き、クスクスと笑いながら『気持ち悪い』と心ない言葉を浴びせてきたから。

悔しくて苦しくて、机に視線を落とした時、君嶋くんは吐き捨てるように言った。

『斎藤、そのシャーペン捨てておいて』って。