復讐劇は苦い恋の味

それを感じ取ったのか、君嶋くんはある提案をしてきた。

「じゃあさ、今日の帰りに俺の分のお土産を買ってくれない?」

「お土産?」

聞き返すと彼は頷いた。

「できればお揃いがいい。……ふたりで遊園地に来た記念になるものが欲しい」

ドキッとしたのも束の間、君嶋くんは私の手をギュッと握りしめた。

「じゃあ時間がもったいないし、サクサク行こうか」

「え……あっ! ちょっと君嶋くん!?」

彼は私の腕を引き入場ゲートへ突き進んでいく。

ゲートを潜るとマスコットキャラクターが出迎えてくれていて、小さい子に囲まれていた。

「まずは定番のジェットコースターから乗ろうか。……あ、もしかして苦手だったりする?」

「ううん、そんなことはないけど……」

それよりもこの繋がれたままの手が気になって仕方ない。

「よかった! じゃあ急ごう」

まるで少年みたいな笑顔で言うと、君嶋くんは私の手を引き走り出した。

「まだこの時間なら、そんなに並んでいないはずだから」