復讐劇は苦い恋の味

それから車を走らせること約一時間。

大きな遊園地は開園間もないというのに、沢山の家族連れや友達グループ、カップルで溢れていた。

「うわぁ、予想以上に混んでいるな」

「……うん」

入場ゲート前のチケット売り場には、長蛇の列ができていた。

「チケット買うだけで大変そうだね」

今からあの長い行列に並ばないといけないのだから。

するとなぜか君嶋くんは得意気な顔を見せた。

「こうなるだろうなと思って、事前にネットでチケットを買っておいたんだ」

「え?」

そう言うとお財布の中から君嶋くんはチケットを二枚取り出した。

「はい、美空ちゃんの分」

「……ありがとう。あっ! お金……!」

すぐにバッグからお財布を取り出そうとしたけれど、彼に手で止められた。

「いいから。ここは甘えてほしい」

「でも……」

そう言ってこの前も、その前だって君嶋くんにお金を出させてしまった。

いくら男の方が出すものだとしても、私だって普通に働いているんだもの。全部出してもらうのは気が引ける。