復讐劇は苦い恋の味

「えっ? 同じ?」

「うん。……私も両親が亡くなってからは一度も行っていないから」

資格を取って毎日がむしゃらに働いていた。圭を守るためにずっと。

自分のことは後回しだったな。とにかく圭を大学まで行かせるのに必死だったから。

少しだけしんみりとした空気が流れる中、君嶋くんは空気を打破するように明るい声で言った。


「じゃあ今日は久し振りに楽しもうか。……俺も行くのは久し振りだし、なによりその……美空ちゃんと行けると思うと楽しみで仕方なかったんだ」

躊躇いがちに呼ばれた『美空ちゃん』。

おかしいな、メッセージのやり取りでは何度も呼ばれていたのに、実際に会って言われると恥ずかしくなる。

それは呼んだ君嶋くんも同じようで、落ち着きを失っている。

「ごめん、なんか照れるね」

そしてハニカミながら話す彼に、私の胸はキュンと鳴ってしまった。

恥ずかしいのに嬉しいと思えるこの気持ち。……これが恋、なのかな。そう思わずにはいられなかった。