機動装甲

Mk―Ⅱは空中で更に加速!

俺は更なるGに眼前が赤くなるのを感じる。

しかし、この程度ならば問題ない。

このスピードならば完全にマッハの速度域だ。

「ミリタリーレベルに移行、速度は安定、機体にも異常な振動は感じられず」

そのまま旋回、急降下、急上昇を繰り返すものの、Mk―Ⅱは安定した軌道で飛行を続ける。

「お疲れ様でした、データ取りは終了、飛行試験を終えて下さい」

オペレーターの声。

「了解」

小さく溜息をつき、俺はフットペダルを緩めた。

加速感が少しずつ薄れ、Mk―Ⅱは巡航速度からゆっくりと地上の駐機場へと着陸する。

「お疲れ、真紅郎」

すぐに茜から通信が入った。

「少し休む?」

「いや…構わない」

俺はすぐにMk―Ⅱの背部に装備したアサルトビームライフルを右手に握らせる。

高熱の重金属粒子を撃ち出す機動装甲用のライフルだ。

Mk―Ⅱの隣では、ソルジャーカスタムがマシンガンを握っている。

こちらは実体弾を撃ち出す機動装甲用銃器。

どちらも実戦用の弾薬を装填してある。

「それでは引き続き模擬戦闘を行います」

通信機からオペレーターの声が聞こえた。