機動装甲

この後予定されているのはこのMk―Ⅱの飛行試験、ならびに模擬戦闘だ。

「Mk―Ⅱと私のカスタムには実弾装填の指示が出たみたい。敵のAI機はペイント弾らしいけどね」

茜が俺を見上げたまま言った。

…カスタムというのは茜の乗るAM―01Cソルジャーカスタム。

ソルジャーの改良型で、Mk―Ⅱほどではないにせよ、性能が向上している。

現在各国の軍に配備されているソルジャーも、やがてはカスタムに機種変換される予定だった。

「また儲かるわね、帝重工」

茜がニヒヒと笑う。

「関係ない」

俺は視線をそらした。

「俺は帝家から勘当された身だからな」