機動装甲

テロリストカスタム機は尚もホバー走行による突進を続けている。

ならば。

「援護、頼むわよ!」

茜のソルジャーカスタムが先行した。

テロリストカスタムと同じホバー走行で、真っ向勝負を仕掛ける!

「真っ直ぐすぎる!」

俺はすぐにMk―Ⅱで飛び立った。

テロリストの出足を止めるべく、ビームライフルを乱射する!

しかしテロリスト機は右に左に、無駄のない機動でこれを回避。

「でも回避運動すれば隙も出来るでしょ!」

茜の機体が実体剣を抜き放った!

狙うは一つ、テロリスト機の脚部!

だがそれを。

「!?」

テロリスト機はスラスター噴射による高い跳躍で回避した。

いや、これは跳躍ではない。

これは…。

「飛行!?」

俺の声と、通信の茜の声が重なった。

「そんな!?航空性能を持つ機体はMk―Ⅱ以外にはまだ存在しない筈!」

「……」

通信で絶叫する茜の声を他所に、俺は思考を巡らせた。