AM―01『ソルジャー』。

ゴーグルのような眼に一対の角状のアンテナを持つ人型機動兵器…通称『機動装甲』。

全高17メートルのこのAM(アーマードムーバー)が発表された時は、世界中が「ロボットアニメの見過ぎだ」と嘲笑したものだ。

しかしソルジャー発表から五年。

この機体は世界中の軍の制式機体として採用され、今や開発元の帝重工は巨万の富を得るに至った。

「その帝重工の次期社長がこんな評価試験基地のハンガーでメンテナンスとはね」

愛機のコクピットから下を見下ろすと、二十歳にも満たない少女がこちらを見上げていた。

「真紅郎、今日こそ決着つけてやるんだから」