──そして、今。中3の初冬。
直哉と一緒に帰ってた、現在に至る。
直哉はどうして、今さら中1の時の話をしてきたんだろう。
部活引退して受験モードになって、おかしくなったのかな?!
直哉、そんなに頭良いほうじゃなかったし。
あ、今のは言い過ぎか。
「直哉、もういいよ。」
「え?」
「直哉の気持ち聞けたし、ちゃんと謝ってくれたし。」
「俺、遅かったよな」
「ほんとにね。私も好きだったのにさ(笑)」
はー。これが言えて私もスッキリしたかも。
「俺、バスケの推薦で県外の高校に誘われてんだよね」
「えっ?県外?」
「そんな顔すんなよ。また迷うじゃん」
「だって、突然で…」
「そっ。
だから、加奈にちゃんと俺の気持ち伝えたくて」
「直哉、頑張ってね」
「おぅ。んじゃ俺、自主練行くわ。
気をつけて帰れよ」
「あーい」
直哉、県外に行っちゃうんだ…
それから、あっという間に年が明けて。
高校受験が始まった。
私は本命だった地元の高校に落ちて。
滑り止めで受けていた、あのミスドがもらえたS高校に進学することになった。