「高橋くん、ありがとう。」


「びっくりしたよ!
橘さん探しに来たら、3年に囲まれてるから(笑)」


「私もびっくりした。
血…?って(笑)」


「授業サボるなとか聞こえてきたからさ、無我夢中で…ごめん。
意味分かんなかったよね」


「助けてくれて、ありがと。」


「ぜんぜん!保健委員だから、俺。」

クイッと親指を自分のほうに向けた。


「そっか。ふふ」



隣の席の高橋くん。

あんまり話したことなかったけど、いい人なんだな。


「そうだ。せっかくだからさ。
これ、橘さんがもらってよ」


彼はさっきの絆創膏を差し出すと、はにかんだように笑った。