「加奈!加奈!!聞いてるー?」


考え込んでいると、真奈美に肩をバシバシ叩かれる。


「あっ、ごめん。なに?」


「加奈ちゃんって言うんだ~!
俺は良太(りょうた)。ヨロシクね!」

キンパツが話しかけてきた。


「よろしく…」


どうにか愛想笑いで答える私。

ヤンキーと何をよろしくするんだか。
早くどっか行ってほしいなー…


私の願いむなしく、テンション高い同士の真奈美と良太は、気が合ったらしい。


「コイツは大志(たいし)ねー。」

良太が、大志と呼ばれた茶髪の肩に腕を回した。


「うぃーっす」

めんどくさそうに、なんとも言えない返事をする大志。


この人そんなにイケメンかなぁー?

こーゆー顔なんて言うんだっけ?
あ、塩顔だっけ?しゅっとした顔してる。

やる気ないのがカッコいいと思ってそ~。


そして私のことなんてお構いなしに、盛り上がり始める3人。

まー、真奈美がイケメンと話せて嬉しそうだからいっか。