インターホンを押しても出てこなかったから、合鍵で中に入った。

しばらくソファーに座っていると、

ガチャッ!

「おい!姫!」

いきなり大声で呼ばれた。

「どうしたの?蓮?」

目の前には汗だくの蓮がいた。

「蓮!おかえり!
あのね!蓮にプレゼントが…!「お前、体売ったのか?!」

私の言葉を遮って蓮が言った。

「ど、う…して」

どうして蓮が知ってるの?

蓮にバレた…。

「体売ったのか聞いてんだよ!」

私は俯くことしかできなかった。

嫌われた。蓮に嫌われた。

どうしよう。

「なぁ、騙されたんだろ?!なぁ!
なんとか言えよ‼」

「ご、ごめんなさい…。」

泣きながら謝った。でも、蓮は怒った。

当たり前だけど怒った。

「なんで謝んだよ!それは、肯定してんのか?!なぁ!」

「ごめんなさい…。」

「姫が、姫がこんなことするなんて!」

まって…まって…!

「まって…!」

嫌いにならないで…

「まってよぉ…!
私を、私を見捨てないで…

お願い…。嫌いにならないでっ…

ごめんなさい、ごめんなさい…!蓮ッ!

お金が…貰えるなら…!こんな体でも、お金が貰えるならこんな体どうでもよかったの…!」

私は、大泣きして蓮の袖を握りしめた。


「蓮に嫌われるって分かってたの…!こんなに汚くて、最低で…!
それに、嘘もついた…。ごめんなさい…ッ!」


蓮は、そっと私を抱きしめてくれた。

「泣きやめ。」

私が泣き止んですぐ、蓮は話を切り出した。

「どうして体を売ったりするんだ。」

「こんな体。今更どうなっても良いと思ったの…」

「こんな体って…!どうしてそんなことを言うんだ!」

蓮は優しすぎるの。

「蓮は…!私の汚い体を見てないからそんなこと言えるの!
見たら、私のこと嫌いになるのよ!」

「お前は、見せてもくれないだろ。」

「見せれるわけないじゃない!こんな汚いからだなんか!」

ギュッ!
蓮は私のことを強く抱きしめた。

「もっと自分を大切にしろよ!」

「もう、蓮には関係ないよ…。私帰るね。」

立とうとすると、蓮はもっと強く抱きしめた。

「なんでそんなこと言うんだよ!」

「だって、蓮は私のことなんて好きじゃないじゃん!
私を愛することはできない。そう言ったのは蓮よ!
蓮にすべてを捧げても良いと思っても蓮は私に無関心じゃない!」

「そう、だったな。
それは、俺が悪かったよ。俺は姫が好きだよ。」

今言われても、もう遅い。

こんな汚い体じゃ、蓮が汚れる。

「もう、もういいよ。蓮、別れよぉよ。」

「嫌だ。今、お前の全部もらう。」

「蓮…。蓮じゃないと嫌だよ…。」