ジリリリリリリ…………

あー、もう、うるさいなあ。

「り~ん、起きて~!起きないと、キスするよ~」

あれ、まだ夢の中かな?

私の夢の中に叶多が出てくるなんて、どんだけ私、叶多のこと考えてたんだ?

「さーん、にー、いー………」

「って、させるかあー!」

あれ?

「ギャー!な、なんで叶多がうちにいるのよ……」

「ああ、鈴の家の前で待ってたら、新聞を取りに来た李夢(rimu)さんがあがって行って、って言ってくれた。鈴ママもかわいい名前だよね。」

ちょっと、お母さん!!

「と、とりあえず、着替えるから出ていってよ!」

「はいは~い!」

なんか、起きただけなのにすごく疲れた。



よしっ、よだれとか付いてないよね?


「お母さん!なんで勝手に家入れてるのよ!」

「あら、鈴ちゃんおはよう。だって、鈴ちゃんの彼氏さん、こんな朝早くから外で待たせるなんてかわいそうじゃない?」

ちょっと待って!

今、色々おかしなことが聞こえたような?

「彼氏?朝早くから?…………頭がおかしくなりそう。」

「大丈夫よ!鈴ちゃん、元々頭おかしいし、これ以上おかしくなんてならないわよ~」

「お母さんだけにはそれ言われたくない。」


まって、叶多はお母さんに彼氏って言ってくれたの?
朝早くからうちに来て、待ってくれていたの?
確かに、昨日一緒に学校行くって話したけど……

このままじゃあ、本当に叶多のこと、好きになっちゃいそう。

叶多は、私のことが好きなわけじゃあないんだから。勘違いしないようにしないとね。