ザク、ザクーと枯葉が音を立て、誰かがこちらに向かって来ているのが分かった。

こんなことをしているの、見られるのはマズイよね⁇

私は先生から離れようとしたけど、力強い先生の腕からは抜け出せなかった。

「おい、未来。
ずっと、携帯 鳴らしてんのに無視すんなよ。」

音の正体は、さっき私に何かを言いかけていた元クラスメイトの男子。
そして、私の高校1年の時のほんの少しの間だけ 彼氏だった人。

"菅原 修也" 。

菅原君は、私と先生の姿を見て 立ち止まった。

「おい、明智。
お前、生徒相手に何してんだよ。」

菅原君は無理矢理に私たちを引き剥がした。

「自分のやってること、分かってんのか⁇」

先生に喰いつく菅原君。
菅原君、何故かかなり怒ってるし。

「分かってる。」

「なら、何で ンなことしてんだよ!!!」

怒鳴った菅原君。
何がそんなに気に喰わないんだろう⁇

「菅原君には関係ないこと。
違う⁇」

私の一声で抑えがたい感情があるのか、菅原君は頭を掻きむしった。

「違わねぇよ!!!
俺、未来のこと 大切に想ってるから。

未来が明智のこと、好きなのなんか 知ってる。
お前、分かりやすいし。

それでも、やっぱ、お前のこと……」