「おい、未来「こっち来い。」」
元クラスメイトの男子に名前を呼ばれたんだけど 先生に手を引かれて、そのまま先生について来ちゃった。
そして、2人して学校の裏門から校内に入った。
……なんで、裏門 開きっぱなしなの、防犯とか大丈夫なの⁇
先生が立ち止まったのは 日中でもあまり人が来ないような場所まで 連れていかれた。
「先生⁇急にどうしたんですか⁇」
「いや、何もない。」
ヘラッと笑う先生。
「……え⁇」
何かあるから、ここまで連れて来たんじゃないの⁇
「いや、本当 何もない。
何もないんだけど……、何かしてもいい⁇」
……はい⁇何を仰っているのか、全く分かりません。
「何か、って何ですか……⁇」
先生に両肩を掴まれ、私は何とも例え難い思いになる。
何かに緊張していて、でも 嬉しくて、何が起こるか分からないから少し怖くて。
先生の顔が、私の顔に近づく。
あまりにも整った顔に、釘付けになってしまう。
見慣れた顔のはずなのに、こんなに至近距離で見ることなんてなかったから。
「ねぇ、未来⁇」
先生の甘い吐息が顔にかかる。
「何、ですか……⁇」
私の顔は、きっと 耳まで真っ赤になっていることだろう。
「愛してる。」
唇に触れる、柔らかな触感。
ほんの一瞬だけ、触れて 直ぐに離れた。
〜〜〜♪
私の携帯に電話がかかって来た。
けれど、そんなことは関係ない。
私は先生の腕の中。
先生の胸に顔を埋める。
細い腕なのに、やっぱり先生は男の人で。
先生の腕から、男性の逞しさみたいなものを感じる。
私も先生の身体に手を回して、ギューと抱きしめた。



