「……思う、よ…」

最後の応えは、自信があるとは言えないか細い声だった

記憶を取り戻すことで幸せになれると思っていたからかもしれない

正論を言われて、私の決意はいとも簡単に揺らいでしまった


「やっぱり、今日はやめる」

「そうか」

男はソファーに深く腰掛け、手足を組んだ

さっきまでの威勢の行き場を失くした私は、暫くその場に突っ立っていた