音楽室に残された、
生徒30人と先生1人。


君が出ていった直後に、
先生は、
私たちに話し始めた。



「彼のことをどう思う?」

「今、この中に、彼に続いて帰りたいって思ってる人もいるかもしれない。」

「そんな人が、1人でもいたら、このクラスはもう、終わりだね。」

「私には、正直、彼の気持ちがわからない。」

「ただ、場所を変えただけで、歌えなくなる彼の気持ちがわからない。」

「やっぱり、ウサギはウサギのままなんだね。」

「3年1組はここで終わりなんだね。」

「これから、どうなっていくのかは、あなたたち次第だけど。」

「もう、帰ってもいい時間だよ。」

「ここで、練習するのか、せずに帰るのか、どっちか決めてください。」






涙をこぼしながら、
先生は言った。