桜哉side

支度を終えて寮を出ると待っていたのは雅だけ。

瑞「ごめんねぇ、って雅だけ?」
雅「……すみません、止めたのですが。」

桜「別にいい。」

別に皆で登校する必要はないのだが、「アイツ」の提案で癖になっているのは事実。

学校まで約5分。
学校への交差点に向かって俺達が歩いていると、白の学ラン、つまりウチの制服をきた男子生徒が20mほど先を走り抜けた。
いつもならこの時間に遅刻するのは俺達だけのはず。
気になって早足で近づき影から覗く。

するとソイツは校門を吟味した後、軽やかにそれを飛び越えた。
俺達であっても、1度止まってしまうくらい高いこの門を。

あんな奴がか?
何者なんだ、あいつ。
瑞「ふーん…。すごいね、あの子♡」

瑞希にそんなことを言わせるなんて。

___イラつく。

桜「雅、あいつ調べとけ。」
雅「…分かりました。」

いつもとは違う、特別な1日が始まった気がした。

雷華sideend