記憶を失くした総長

お昼時、今日は外が曇っているので屋上でご飯を食べようという私の提案に2人は笑いながら了承した。

「え、華それしか食べないの?」
『うん、朝食べ過ぎちゃって。』

拒食症に近い私も最近はカロリーバーを食べられるようになった。
あとは薄めたスープとかはたまに。

成「だからってカロリーバー1袋とレモンティーでしょ、有り得ないね。」

バッサリと切り捨てた成輝の手元を見る。

『そういえば、二人ともお弁当だね。』
成「うん。今日は大和が作ったんだ。」

へぇ!と向かいに座る大和をみる。
変わらず無表情に見えるけど耳が赤いのを見逃さない。

大「前に教えてもらった。」

あぁ紗音さんか、と納得する。
私もよくトレーニングでお世話になってるし、ここまで食べられるようになったのももちろん彼女のおかげ。

大「華、玉子焼き食べて。」

ぼーっとしてたら口の中に優しい味わい。
良かったお弁当の具も練習しておいて。

『む、……美味しいね。』
成「いきなり突っ込んだら駄目だよ。大丈夫?」
『呆けてたから反応が遅れただけ。
私も甘い玉子焼き派かな、兄さんはだし巻き玉子が好きだけどね。』

成「玲は、そうなんだ。」
『あ、うん、そうだよ!』

危ない、兄さん違いで間違えるとこだった。

最後の一口は流石にきつくなってくるのでレモンティーで流し込む。

成「…玲もレモンティー好きだよね?」
『まぁね。寮の冷蔵庫にびっしりだよ。』

想像できると2人は笑う。
大和も普段より笑顔な気がするし、可愛いなぁ。

ちなみに放課後は映画とショッピングに決定しました。
高校生らしいことをようやく出来るから凄い楽しみ。