航side

目覚めたがすぐに呼吸困難になった彼女。
とめどなく涙を流し、頭と胸を押さえている。
女の医者も入ってきた時とは変わってとても深刻そうな顔をしていて。
彼女は今、処置室に連れていかれ、何人もの医師による検査を受けている。
その姿をガラス越しに見ていたその時だった。
勢いよく開かれた扉から聞いたことのある声が響き渡り、思わずそちらを向く。