記憶を失くした総長

ガァアンッ!

鈍く、耳障りな金属音がその場に響く。

「…え。…ごふっ!」

倒れたのは、通称【以下略】。

「武器は使わないって…思ったのに。」

私も使うつもりはなかったけど。

『…結構痛かったんだよねぇ。』

___私にクリーンヒットしたバットで振りかぶったバットの攻撃に反発をさせず、吸収するように攻撃を逃がし、最後にバットを弾いただけ。
そして拳で鳩尾に1発。

「…訳わかんねぇ。」

そう言い残し、気を失った。

『…ふぅ。』

一息つけるのは、闘っているうちに初めにいた場所よりも離れたため。
膝は打撲もあるが、バットが当たった時に亜脱臼してしまって痛みと違和感がある。
雷華達からも見えづらい草むらで、座って膝をちゃんとはめ直す。

『…やっぱ治らないなぁー。』

私の膝は衝撃が加わることで外れてしまうことがある。
それがかなり癖になっているのだ。
痛みがあるもののそろそろ行こうと立ち上がろうとした時だ。

紅「___麗。」
『…あら紅ちゃん…と、みんな。』

少し離れたところには覇龍の幹部である蒼くん、大輝、航がいた。
紅ちゃんは手を掴むと引っ張りあげてくれる。