君だけに愛を乞う

彼は営業部・私は広報部と部署の違う私達は仕事に慣れてくるとともに忙しくなり、デートする時間もなかなかつくれなかった。

だからいつまでも気恥ずかしさを感じていた私は、初めてキスした時にまだ『蒼汰』と名前を呼ぶことが出来ずにいた。

そして初めて身体を重ねた時だった。

彼は深く揺れながら身体のあちこちにキスを繰り返した後、私の耳元で切羽詰まった声で『美月...俺の名前を呼んで...』そう告げた。

私はもう何も考えられなくなって、求められた通り『..蒼..っ汰....んっ..蒼』と懸命に呼び続けると、彼は深いキスで私の声を飲み込んだ。

それから私は少しづつ自然に『蒼汰』と呼べるようになり、お互いうまく時間を作りながら交際を深めていった。

時が経ち、後輩ができると彼に好意を持つ子が現れるようになった。

先輩女子にも彼に誘いの声をかけている人がいると何度も聞いた。

そんな状況はありがたいのか月一で行われる同期会で次々に報告され、その度に彼はみんなに釘を刺されて『何の心配もない』『美月だけだ』といつも私を安心させてくれた。