君だけに愛を乞う

彼のマンションに着いて鍵を開けているその手に胸がドキドキする。

何でだろう...何度も来ていたのに。

「入って」

そう彼に促されて靴を脱いで中に入ると、すぐに後ろから抱きしめられた。

私の頭に彼の頬が寄せられ、私を抱く腕の力が強くなる。

そしてこめかみにキスが落とされ、耳元へと流れていく。

「美月...こっち向いて」

甘い声につい誘われる。

ゆっくり彼の方に向きを変えると、真っ直ぐ私の目を見つめてくる。 

「美月...好きだよ」

そう言うと、唇に優しいキスをした。

そして彼はもう一度強く抱きしめると、はぁ~と深いため息をついた。

「どうしたの?」

彼の胸に頬を寄せて問うと、「ん~?」と気の抜けた声が返ってくる。

「何?」

「...やっと美月がここにいる」

振り絞るような声に切ない気持ちが広がってくる。

「....ごめんね」

「ん..いいんだよ。今、美月がここにいてくれるから、それでいい」

蒼汰の想いが胸の奥まで伝わって来て、愛しさが込みあがる。

「蒼汰...ありがとう」

ぎゅっと私が抱きしめると、同じように抱きしめ返された。

そして頬に触れた優しいキスは、唇へ流れると食むように上唇と下唇を交互に愛撫する。

私も彼の唇を求めて、彼に合わせて口を開ける。

差し出された舌に私も絡めて、彼の密をこくりと飲み込んだ。