君だけに愛を乞う

しばらく沈黙が続き、私も不安になった。

彼を怒らせてしまったの?

焦る気持ちが表情に出てしまう。

無意識に彼へと伸びた私の右手をギュッと掴んだ彼は、さっきまでの口調と違って真剣な声で言った。

「別れてなんかいないよ」

「....えっ?」

予想外の言葉にポカンとなる。

「俺たちは別れていない」

彼はもう一度ハッキリと言った。

私たちは...別れていない?

その言葉を頭の中で復唱しても意味が分からない。

「だって!」

そう..私達は別れたはず。

あの日蒼汰を傷つけて、それから私達は連絡を取らなくなった。

それは別れたということじゃないの?

そんな私の混乱が分かるのか、優しく「美月」と名前を呼んだ。

「美月は別れたつもりでいた?」

そう聞かれてこくんと頷く。

だってそう思うよね。そのつもりで私もあんな事言ってしまったし。

「ひどいな...。でも美月の気持ちは理解したよ。悩ませて、傷つけちゃったし」

「違うよ!傷つけたのは私の方だよ」

「ん...そうだな、確かに傷ついたかな?美月が離れていって」

「え?」

彼が意外なことを言ったので、驚いて凝視してしまった。

だって私が離れたから、傷ついたなんて...。

そんなこと思っていなかったから、更に頭が混乱する。