君だけに愛を乞う

長い会議が終わり、会議室の後片づけをしてからフロアに戻ると、終業時間をかなり過ぎていた為ほとんどの人が帰っていた。

そして通路を歩いていると、自分のデスクの上に何か袋が置かれているのが見えた。

デスク前に立って置かれている物を見ると、それは私の大好きな洋菓子店の箱。

袋に触れる手が震える。

袋の中の箱にはピンクとゴールドの綺麗なリボンが掛けられている。

それを解いてそっと箱を開けてみると....私の大好きなイチゴが沢山のっているバースデーケーキが入っていた。

チョコレートのプレートには【Happy Birthday 美月】と書かれて、可愛いキャンドルの2と6がプレートの後ろに飾られている。

「うそ...どうして..」

胸に熱いものが込み上げて、涙がボロボロと頬に落ちていく。

この洋菓子店は会社のそばにあるわけではない。

彼のマンション近くにあるお店で、去年もこれと同じものを買ってくれて彼の部屋でお祝いしてもらったのだった。

去年とはキャンドルの数字が2と5だったことが違うだけで、特注でイチゴを追加してもらった今目の前にあるケーキと全く同じ。

彼が用意してくれたんだ....。

私の誕生日を覚えていてくれた。

それを思うと胸が苦しくなって、涙が止まらない。


蒼汰....どうして...。


声にならない感動が胸いっぱいに広がった。