『星哉はともかく、何で瑠奈とあんなにしゃべるのかしら。また言っておかなくちゃ。』


「…………。」

「……瑠奈?」

「あ、お兄ちゃん、大丈夫大丈夫!じゃあ、いってきます。」

「「いってらっしゃい。」」


夜空とお兄ちゃんの声を聞きながら、私は息苦しい家から飛び出した。いくら[聞こえる]からといって、あんまり聞いていたいものでもない。


まだまだ暑い夏には遠い季節。それでもきっと数えたらあっという間なんだろうなーと思う。
過ぎてほしいような過ぎてほしくないような、そんな青春の真っ只中を私は生きている。




そして今日が、今日も始まる。