「あ、こっちです」

玄関狭くてリカコ抱えたまま遊佐さん通れるか心配だったけどいとも簡単にスルリと通って来られた時はかなりビビった。

「了解」

ぶっちゃけ男の人なんて部屋に入れなことないからかなり緊張してる。

…このあいだの事件はまた別だけど。

違う意味で緊張したなあれは。

「ベットに寝かせてもいい?」

「お願いします」

他に寝かせる所はないのでベットにリカコを置いてもらった。

「すみません遊佐さん」

会ってまだ数時間だと言うのに…

「全然いいよ、巻き込んだのこっちだし」

「…寛大」

「ん?なんか言った」

「いえ…大丈夫です」

あまりにも優しすぎる遊佐さんに涙が出るかと思った。

「じゃあ俺帰るけど明後日忘れないでね」

「はい、ちゃんと行きますよ」

稼ぎに行かないといけないからね。

リカコを運んでくれた遊佐さんは颯爽と暗い闇へと消えて行った。