間違った恋


「そんなんじゃねえ。ただのバイトだ」

「なーんだつまんないの」

唇を尖らせいじけた子供みたいな態度をとるイケメン。

「ってかタカコちゃんさー!俺に違う番号教えたでしょ」

「俺困っちゃう」なんて呆れているイケメンは私に話しかけていたらしい。

そういえば遡ること少し前、イケメンに私はタカコと名乗ったのだった。

「あの…私タカコじゃないんです」

そう告白するとイケメンは笑って、「知ってた」とそう言った。

もうその言葉を聞いて唖然とした。

「沙耶ちゃんでしょ?」

「…はい」

若頭から私のことを聞いて私の名前を知っていたイケメンはタチが悪いイタズラ心で私をからかいに来たんだとか。

「でも顔とか知らなかったですよね?」

「いや、知ってたよ」

「何故」と聞くと「写真」と言われた。

「ほら沙耶ちゃんでしょ?」

胸ポケットから取り出した一枚の写真を私に見せてきたイケメンから写真を拝見した。

おぉっと!!

何だこの写真!!!