「お願い!今日だけでいいから!!ね!?」

「………」

「お願い!!」

ひたすらお願い攻撃をされる私にリカコはウルウルと涙目で上目遣いをしてくる。

なんか捨てられた子犬みたいでかわいそうに思えてきた。

それにつられて私はオッケーと言ってしまった。

あぁ、やってしまった。

来なければよかった。

そう思ったのは学校が終わり、夜のクラブへとリカコと2人で足を進めた時だった。

秋の夜は冷えると言ったばっかりなのにまたリカコは短いスカートを履いている。

それに靴はヒール10センチ以上。

逆に私は花柄のピンクワンピースに白いパンプスにしといて良かった。

普通に外寒いし。

リカコはスタスタとモデル歩きをして周りの視線を浴びているにも関わらず堂々としている。

少し離れて歩いていると、後ろから声を掛けられた。

ブサイクなら無視して歩こうけば納得はいくけど…

だけど…

「どうかした?」

「あ、いえ…」

相手を見つめすぎて不思議そうな顔をされた。

やっばい。