次の日、目覚めると一番にカーテンを開けて窓の外を確認した。
よかった、外には誰もいない。
そして黒塗りの高級車は止まっていない。
ほっと胸を撫で下ろし、ノロノロと身支度を整えた。
はあめんどくさい。
なんでこんなに毎日学校に行かねばならんのだ。
サボりたいけど…
それもめんどくさいし。
あれ?私ってこんなに無気力系だったけ?
小さい頃は結構活発な子だったはずなんだけど。
どこで間違えてしまったのか。
思い返すも全くわからず。
髪の毛を直して化粧をしてカバンを持ち自分の姿を鏡の前で確認する。
「こんなもんでしょ」
髪の毛オッケー。服装オッケー。
そして今日提出の課題持った。
よし、行くぞ。
先に出てしまった母さんが用意してくれた朝食は冷蔵庫にしまい、朝ごはんはとりあえずコンビニで買おう。
玄関の鍵を閉めてアパートの階段から降りると壁にだるそうにもたれ掛かりスマホをいじっていたリカコ。
「おはようリカコ」
そう投げかければ、
「沙耶!無事で良かったよぉぉぉ!!」
私の存在に気づいたリカコは見事なタックルを私に仕掛けてきた。
そのおかげで女の子らしからぬ声が響く。


