間違った恋


あれから数日が経ち、クラブのことを忘れかけていた時にアクシデントは起こる。

「んじゃ、また明日ね」

いつものように授業を終えて家に帰ると、そこにはー…

「お前ここの家のモンか?」

何故か母さんではなくスーツをキチッと着こなす厳つい男が二人。

「なんとか言えやコラ」

巻き舌風に怒声を浴びせられ、私はなにがなんだか理解出来ないでいた。

「早く利子返せっつてんだろうが!!」

「300万に利子ってお前このままじゃ危ねえぞ!!」

とかまだまだ話している厳つい男たち。

「あ、あの…」

震える声を我慢して聞いてみた。

何の用ですか?と。

「はぁ!?しらばっくれんじゃねえぞ!!」

そうするとさらに怒声が大きくなった。

リビングにあった母さんが夜の楽しみに取っておいた酒瓶を地面に叩きつけ、パリンと大きな音が部屋に響く。

私は玄関で小さくなって、散々暴れたらしい男たちをただ丸まって怯えていることしか出来なかった。

理解できない。

なんで私がこんな目にあうのか。

「さっさと利子返せよ!“田島”さんよぉ」

そう言われ、肩をガチッと持たれた時に違和感を感じた。

「わた、私!田島じゃないです!!」

力一杯そう言い張ると、平手打ちが飛んできた。