木曜日の1限は出席しないとやばいことになるから出来るだけ出席をしている私とリカコ。
先生がなんと言うか…面倒くさい。
今帰ったら寝る時間は何時よ、なんて悠長に考えてリカコを探しに行こうと重たい腰を上げた。
そこで私は見つけてしまった。
先ほどの黒髪二重の男がVIPルームから降りてきた事を。
ついつい目で追ってしまったが、私は必死に人波をかき分けてリカコを探した。
やっと見つけたリカコはチャラそうな男に腰を持たれて楽しくダンシングしていた。
楽しそうな所悪いけど邪魔させてもらうから。
心の中でリカコに謝って、男とリカコを引っぺがした。
「なーに?もう帰るの?」
「明日朝早いでしょ」
ちぇ、なんて口を尖らせるリカコの手を引いて人波をかき分けやっとの思いで外に出ると秋口の夜は肌寒かった。
帰り道リカコにVIPルームにいた人のことをそれとなく話してみた。
「ちょ、なにそれ!!それ絶対菊組の若頭だよ!!」
思った以上に食らいついてきたことにはびっくりした。


