「それから私は城に残る選択をしたわ。
女王になって母様の敵を取りたかったもの」

 女王になるための勉強は厳しいものだった。特に本を読むとつい眠くなる体質のアリアは、辛かった。でも毎日毎日本を読み続けた。 

「それなのに私が負けるなんて……!」

 悔しいとアリアは泣いた。

「じゃあさ、見せびらかしてやろうぜ!
今、アリアは幸せだって」

 はあ?アリアはクルスの言葉が信じられなかった。もう勝負はついたのだから何をしても無駄だ。

「アリア、何事も最後に笑っていられた方の勝ちなんだよ」

「?」

「だから、アリア
結婚して下さい。そして幸せになって下さい。その為に出来る事があるなら
協力すらからさ」

「幸せになれるかな?」

 アリアの問にクルスは微笑んだ。

「もちろん」