「あなたの心はとっても綺麗な水色をしてるわ」
幼かったあの日…少年が少女に言われたことば
親とはぐれ迷子になった少年に優しく話しかけ慰めた少女を少年は名前もわからない。
10年前の記憶とは曖昧でもう場所や少女の顔も覚えてはいなかった。
ただ…一つだけ、「綺麗な水色」と言われた事だけはしっかりと覚えていた。

朝6時半

朝の日差しが窓から射し込み眩しい光が布団に入った自分を照らしてくる。
今日から高2になり今日は一学期最初の登校日であった。
連休明けの学校は辛い……そう思いながら寝癖でボサボサになった髪を手でわしゃわしゃし布団から起き上がった。
寝起きの目を擦り洗面所に向う。
バシャバシャと顔を水で洗い、寝癖の髪を整えた。
身長は170くらいだろうか、茶色い髪に高身長の自分と妹の二人で暮らしている。
母親と父親は2年前に離婚したが母親が自分と妹を育てることになった。仕事で忙しくあまり母親と会う機会がない。
そのため朝食や弁当は毎日自分と妹で交代交代にして作るようにしている。
今日は妹が朝食をつくる番なのだが…台所から音が聞こえてこない。
しかたなく寝ている妹を起こしにいった。
「おい、瑠璃朝だぞ起きろ…」
体をゆさりながら妹を起こそうとするもなかなか起きない
「うぅ……おにぃ弁当かわりにつく………スーピースーピー」
どうやら弁当と朝食をかわりに作れと言うことらしい。
「今回だけだからな…お兄ちゃんがかわりにつくるから早く起きろ」
「ほんと!おにぃありがとう」