一枚目を張り終えたとき、

アトリエの引き戸が開いた。

すると、安西がひょこっと顔を出した。


「ひとり?」


「ああ」


安西は中に入ると、小走りに僕の横まで来た。


そして、そばにあった低い椅子を手で引き寄せると

僕の横に座った。