街中で、少女がひとり、佇んでいた。
当たり前だった日常が壊れたことに、ようやく気付いた幼い日。
突然の事故で亡くなった両親。
気が付けば葬儀も終わり、自分の一番安心できる場所がなくなっていた。
手元に残ったのは、母が大切にしていた、鍛冶屋の父が過去に鍛え上げたと聞いた一振りの剣。
行き場のない自分を迎えに来てくれたのは、父の縁戚だった。
ひとり抱え込む自分の側に、一人の少年が駆け寄ってくる。
最近、知り合った少し年上の少年。
ふらりと現れては街を共に冒険して遊んでいた相手だった。
「これから、どこに行くの?」
「・・・わからない…」
幼い自分には伯母の住む場所が理解できていなかった。
「また会えるよ」
「ほんとに?」
「うん。絶対に」
約束とつないだ手が暖かくて、とても安心できた。
手をつないで街中を走り回った楽しい記憶がよみがえる。
「じゃあディアが大きくなって、16になったら、僕のもとへおいで」
「うん、わかった」
幼いあの頃に交わした約束は、素直に信じることができた。
その後の新しい暮らしに確かにココロの支えになっていたのだ。
当たり前だった日常が壊れたことに、ようやく気付いた幼い日。
突然の事故で亡くなった両親。
気が付けば葬儀も終わり、自分の一番安心できる場所がなくなっていた。
手元に残ったのは、母が大切にしていた、鍛冶屋の父が過去に鍛え上げたと聞いた一振りの剣。
行き場のない自分を迎えに来てくれたのは、父の縁戚だった。
ひとり抱え込む自分の側に、一人の少年が駆け寄ってくる。
最近、知り合った少し年上の少年。
ふらりと現れては街を共に冒険して遊んでいた相手だった。
「これから、どこに行くの?」
「・・・わからない…」
幼い自分には伯母の住む場所が理解できていなかった。
「また会えるよ」
「ほんとに?」
「うん。絶対に」
約束とつないだ手が暖かくて、とても安心できた。
手をつないで街中を走り回った楽しい記憶がよみがえる。
「じゃあディアが大きくなって、16になったら、僕のもとへおいで」
「うん、わかった」
幼いあの頃に交わした約束は、素直に信じることができた。
その後の新しい暮らしに確かにココロの支えになっていたのだ。