信じられなかった。紗菜は目を逸らすことができなかった。
 朝陽を凝視する時間は朝陽の着火した花火三本分に及んだ。


「あんまり見ないでくれる?」

「ごめん。でもびっくりしちゃって」

 朝陽も一瞬たりとも紗菜に目をやることなく花火に向き合っていた。動揺していない、わけでもないらしい。白い光に照らされているわりに、顔が赤らんでいる。

「そうかな。わりとわかりやすかったと思うけど?」

 笑いを含んで吐き出された息は今日何度目だろう。
 紗菜は朝陽を見つめながら、この人のこの笑いかたがとても好きだと思った。