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コンビニから戻った朝陽の手には外装の袋にシールが貼ってあるだけの花火があった。ナイロン袋に収まらないほど大きな手持ち花火セットだ。
数が多すぎないかという心配を裏付けるように、パッケージにはデラックス版と書かれている。
バケツの水だけでなく、風よけ用の缶詰容器まで用意していた紗菜を朝陽はさすがと短く評価すると、真剣な顔でろうそくに灯をともし、空の缶詰のなかに立てている。
手際いいねと褒めても聞こえなかったのか、うんともすんとも反応がなかった。
花火ができる場所をとっさに思いつかず、家の庭に朝陽を招き入れたものの、家族には見つかりそうだ。庭への来訪者をなんといって説明しようかと当惑する紗菜をよそに、朝陽は花火に張り付いたテープを丁寧に剥がしては一本一本ばらばらにしてゆく。
コンビニから戻った朝陽の手には外装の袋にシールが貼ってあるだけの花火があった。ナイロン袋に収まらないほど大きな手持ち花火セットだ。
数が多すぎないかという心配を裏付けるように、パッケージにはデラックス版と書かれている。
バケツの水だけでなく、風よけ用の缶詰容器まで用意していた紗菜を朝陽はさすがと短く評価すると、真剣な顔でろうそくに灯をともし、空の缶詰のなかに立てている。
手際いいねと褒めても聞こえなかったのか、うんともすんとも反応がなかった。
花火ができる場所をとっさに思いつかず、家の庭に朝陽を招き入れたものの、家族には見つかりそうだ。庭への来訪者をなんといって説明しようかと当惑する紗菜をよそに、朝陽は花火に張り付いたテープを丁寧に剥がしては一本一本ばらばらにしてゆく。


